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杀意的定时炸弹北阿尔卑斯涸沢山杀人事件(日文版)-第2章

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 俺は小山から渡されたデジカメの液晶画面を食(く)い入(い)るようにじっくりと見た。滑落の際に出来た裂傷や打撲痕を差し引いても、顔の損傷は比較的軽微だ。それにも関(かか)わらず、正直全く思い出せない顔である。

「俺の勝手な憶測かも知れませんが、この人、ここへは泊まっていないんじゃないかな?」

 一同、顔を見合わた後(のち)、仁科が口を開いた。

「登山届にここへの宿泊予定が書かれていたし、小山さんにも確認してもらったけど、実際に宿帳(やどちょう)の中にも耍麤gさんの名前があったんだよ? 単に憶えていなかっただけなんじゃないの?」
「刑事さん、俺は昔から一度見た顔は忘れない方だし、写真の男性は男の俺から見てもハンサムで特徴的です。もし、泊まっていたなら、ましてや一昨日の客だったら、憶えていない筈無いですよ」
「確かに漢波羅君は人の顔を覚えるのは天才的だからなあ。バイト初日に初めて顔を合わせた全員の顔と名前を即座に覚えたし???仁科さん、漢波羅君が見覚えが無いって言う以上、ひょっとしたら、ここへは泊まらなかったのかも知れませんよ」

 小山がすかさず助け船を出してくれた。しかし、仁科は尚も迹盲い胜い瑜Δ馈

「でもねぇ???耍麤gさんの死因は後頭部を強打した事による脳挫傷なんだけど、血痕を含め稜線上で誰かに石で後ろから頭を殴られたり、争ったり襲われたりした痕跡は無いし、第一、現場は大キレットに次ぐ罚Ц呖k走の険路だからね。普通に考えれば、足を滑らせた単なる滑落事故と言うのが妥当な所だと思うんだけどねぇ」

 仁科は耍麤gの死を滑落事故として全く疑っていない。登山届と宿泊。この確認さえ取れれば、あとは型通りの捜査をして早々と打ち切りたい、そう言った印象だ。まあ、事件は次から次へと舞い込んでくる。警察が今回の件だけに専念していられない事は俺にも分かるのだが???

 その日、仁科達3人の刑事は北罚Ц咝∥荬丐炔搐蓼辍⒁钊障律健H士皮螆蟾妞蚴埭堡堪嘛w騨署では事件性に乏しいとして耍麤gの死は滑落事故として処理してしまった。とは言え、俺はどうしても迹盲い胜ぁR欢饶郡摔筏款啢贤欷胜ぐ长偿堡摔丹欷郡妊预λ激い猡ⅳ毪ⅳ饯煲陨悉恕⑺{沢の死に対する不審感が益々募ってくる。元々、好奇心旺盛な俺にしてみれば、一度気になり出すと自分自身が迹盲工毪蓼钦{べずにはいられない。思い余(あま)った俺は、消灯前の小山を訪ねた。

「あの⑿∩饯丹蟆⒔瘠沥绀盲趣いい扦工俊
「漢波羅君、どうしたんだい?」
「小山さん、もうすぐ小屋仕舞(じま)いって言うこの時期にこんな事を申し出るのは大変恐縮なんですが、バイトを上がらせて頂けませんか?」
「何かあったのかい? ひょっとしてご家族の誰かが入院されたとか?」
「いえ、そう言うんじゃないんです。実は例の滑落事故の件で???」
「ン?」
「仁科さんら警察は耍麤gさんの死を滑落事故死として処理しましたが、俺にはどうにも引っかかるんです。宿泊してた筈なのに写真を見ても、全く顔を思い出せない」
「確かに一度目にした顔は絶対に忘れない君が、見覚えが無いって言うんだからなぁ。そこは僕も引っかかってはいたんだよ」
「小山さん、俺は耍麤gさんの死は事故なんかじゃ無いような気がするんです」
「ン?」
「ハッキリとこうだ!とは言えないんですが、耍麤gさんは殺されたんじゃないかって思うんです」
「???」
「登山届をきちんと出して、予定通りに小屋へ宿泊している。でも、もしも泊まった人間が耍麤gさん本人で無かったとしたら?」
「!」
「耍麤gさんじゃ無い別人が、耍麤gさんの名前で宿泊したとすれば、写真を見せられても見覚えが無くて当然です。でも、そうだとすると、何故わざわざ他人の名前で宿泊したのか? 何か後ろめたい事でもなければ、普通そんな事をする必要はありません。だから、犯罪の可能性があるんですよ」
「でも、漢波羅君。まさか、君は警察が事故死として処理した件を独自に眨伽瑜Δ盲蒲预Δ螭袱悚胜い坤恧Δ停俊
「はい、そのつもりです」
「漢波羅君、確かに不自然な点はあるよ。でも、一度、警察が出した結論を覆すのは容易な事じゃない。ましてや、犯罪性がある事なら尚更(なおさら)だ。耍麤gさんを殺した人間がいるとすれば、この件に関わる事で君にだって危害が及ばないとも限らないんだよ」
「それは分かってます。でも、生来の好奇心がそれを許さないんです。それに、僕は部屋住みの三男坊で、女房子供もいませんから。なぁに、大丈夫です。自分の身に危険が及びそうになったら、その時は撤退しますから」
「本当にそうしてくれよ。仮にも君は漢波羅家の御曹司(おんぞうし)なんだし、ここのバイトに雇うのだって、最初は躊躇(ためら)ったくらいなんだから」

 俺の熱意と一度こうだと決めたら曲げない性分(しょうぶん)に根(こん)負けしたのか、小山は渋々とながらも事件の「捜査」を認めてくれた。

 10月14日、水曜日、午前7時── 。

 こうして俺は、主人の小山と仲間達に別れを告げ、一足早く北罚Ц咝∥荬颏ⅳ趣摔筏郡韦坤盲俊

第2章 二人の「耍麤g俊英」

 
前罚Ц咴坤群詻gカ搿。ㄆ匠19年10月10日 著者撮影) 
 北罚Ц咝∥荬颏ⅳ趣摔筏堪长蓼毫ⅳ良膜盲郡韦虾詻g小屋である。

 涸沢カ毪摔隙帳紊叫∥荬ⅳ搿R卉帳膝‘ルの真ん中、「池の平(たいら)」と呼ばれる地に建つ涸沢ヒュッテ。もう一軒は北罚Ц咴滥狭辘沃毕隆侗冥思膜晏恚à剑─Δ瑜Δ私à暮詻g小屋だ。この内、涸沢小屋に10月9日、耍麤gは泊まっている。

 北罚Ц咝∥荬钎啸ぅ趣颏筏皮い块v係で涸沢小屋のスタッフとは顔見知りだ。俺は、当日の宿帳を見せて欲しい旨(むね)告げると、涸沢小屋名物のソフトクリ啶松喙模à筏郡膜扭撸─虼颏沥胜椤ⅴ讴‘ジを繰(く)った。

 10月9日の宿泊者の中に耍麤g俊英の名を見つけ出すのは、さほど難しい事では無かった。まあ、これは既に確認されている事なので当然と言えば当然なのだが、俺が知りたいのは別の点だ。俺は胸ポケットからオリンパスμ795SWを取り出した。耐寒温度…10度、多少の落下衝撃にも耐えるこのタフなコンパクトデジカメはアウトドアには持ってこいである。俺は耍麤g自身が書いたその部分を数枚撮影し、涸沢小屋をあとにした。

 次に向かったのは上高地バスタ撺圣毪坞Oにあるインフォメ伐绁螗互螗咯‘である。ここには登山者が出した登山届が集められている。

 俺は10月9日に出された登山届の内、耍麤gのものを見せてくれるよう頼んだ。普通なら、アポ無し、ましてや警察関係者でも何でも無い俺あたりが頼んだ所で門前払いを食らうがオチだが、北罚Ц咝∥荬沃魅恕⑿∩饯瑱C転を利かして、俺が小屋を出た直後に話をつけておいてくれたらしい。待つ事五分。耍麤gが出した登山届が俺の目の前に差し出された。

「摺Γ 

 俺は北罚Ц咝∥荬颏ⅳ趣摔工腚H、小屋の宿帳に書き残されていた耍麤gの筆跡をデジカメに収めて来ていた。涸沢小屋に残されていた耍麤gの筆跡は北罚Ц咝∥荬韦猡韦热浮<姡à蓼─欷猡胜溉碎gが書き残したものだ。しかし、今、俺の目の前にある登山届の筆跡は二つの小屋に残されていたものと摺ΑN⒚瞍怂皮皮悉い毪e人が無理して筆跡を真似(まね)て書いたように見える。

「なんで、登山届と小屋の筆跡が摺Δ螭溃俊·坤趣工毪取⒌巧浇欷刃∥荬瞬肖丹欷抗P跡、どちらが耍麤g本人のものなんだ?」

 俺は早速、北罚Ц咝∥荬涡∩饯卧丐入娫挙蛉毪欷俊

「もしもし、小山さん? 漢波羅です」
「ああ、漢波羅君。今どこ?」
「上高地インフォメ伐绁螗互螗咯‘です。それより大変な事が分かりました」
「何? 大変な事って?」
「筆跡ですよ」
「筆跡?」
「登山届と小屋に残されていた耍麤gさんの筆跡が摺Δ螭扦工琛
「エッ?」
「北罚Ц咝∥荬群詻g小屋の宿帳に残されていた筆跡は同じだったんです。だから、10月9日、涸沢小屋に泊まった人間と、翌10日、北罚Ц咝∥荬瞬搐蓼盲咳碎gは同一人物なんです。でも、登山届に残されていた筆跡は微妙に摺Δ螭扦工琛
「それってどう言う事?」
「考えられる事は二つ。一つは耍麤gさん本人が登山届を書いて上高地インフォメ伐绁螗互螗咯‘に提出したものの、小屋に泊まったのは別人。もう一つは誰かが耍麤gさんの名前で登山届を出したものの、小屋に泊まったのは本人。どちらが真実にしろ、疑念が深まった事だけは確かです。やはり、耍麤gさんの死には何かありますよ」
「で、漢波羅君。これからどうするんだい?」
「とりあえず、耍麤gさんの勤めていた会社を訪ねて、耍麤gさん本人が書き残したものを見せてもらおうと思っています。そうすれば、登山届と小屋の筆跡のどちらが耍麤gさん本人のものなのかがはっきりしますから。それと、ついでに
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