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も引き返して寝《ね》てしまいましたが」
「その時、べつに異状はなかったのですね」
「もちろんです。なにしろ、あの部屋《へや》は冷房《れいぼう》ですから、真夏でも、窓は密椋Г筏皮い蓼工贰
「それから、老人の方――と申しては失礼ですが、一般《いつぱん》的に年をとると、耳ざとくなるという話ですね。夜中に――というよりも、明け方近く、何か妙《みよう》な物音でもお聞きになりませんでしたか?」
「さあ……いっこうに……あの離《はな》れでの物音は、よほど大きなものでないと、母屋《おもや》までは聞こえないと思いますよ」
結局、彼の証言からも大して得るところはなかったのである。次に呼ばれたのは、秘書の貝森憲一だった。三十二で、学生時代には柔道《じゆうどう》の選手をしていたということだが、いかにもスポ膜清憽钉俊筏à郡瑜Δ侍甯瘠坤盲俊
「珠代さんが出かけられて間もなく、神戸から長距離《ちようきより》電話がありまして、かなり重要な問睿蛑椁护评搐郡韦扦埂I玳Lがおひとりなことはわかっておりましたから、すぐ離れへお知らせに参りましたが、そのとき、おあいしたのが最後になったのです」
憲一は、沈痛《ちんつう》な表情を浮《う》かべながら、要領よく答えた。
「それは何時ごろでした?」
「十時ちょっと前だったと思います」
「その時、大賀さんはお一人だったのですね」
「もちろんです」
「それから、あなたはどうしました?」
「私の割り当ての部屋《へや》へもどると、三十分ほど本を読んで寝《ね》てしまいました」
「なるほど……その重要な報告を持って行ったときの大賀さんの様子は?」
「やはり、問屋の倒産《とうさん》となると、こちらにもいろいろとひっかかりはありますから、大分心配しておられたようですが……前にも例がなかったことではありませんし……」
貝森憲一は、慎重《しんちよう》な態度で答えた。
5
「まるでコンニャク問答ですな」
この四人の取り眨伽Kわってから、横山部長刑事は溜息《ためいき》をついていったが、ほかの三人に対する尋問《じんもん》は、さらに手ごたえがなかった。
藤代勇は、五時ごろ、会社から帰って来た被害者《ひがいしや》に顔をあわせたのが最後だということだし、母屋《おもや》づきの女中、石原利江も、べつに変わったこともいわなかった。離《はな》れづきの女中近藤みどりは、三十八度の熱で、夕方から寝《ね》こんでしまったというし、誰《だれ》の話もぜんぜん役にはたたなかった。
ほかの三人はいちおう昨夜、離れへ行ったことは認めているのだが、肝心《かんじん》の犯行時刻と推定される午前四時前後には、みんな自分の部屋《へや》で寝ていたというばかり――もちろん、時刻が時刻だから、それも当然か知れないが、誰にも完全なアリバイはなし、かといって特にあやしむべき点もなかったのである。
殺人現場を詳細《しようさい》に眨伽ⅳ菠胯a識《かんしき》のほうからも、これというきめ手は見つからなかった。珠代にでたらめな電報を打った人物をつきとめようとする工作もうまく行かなかった。
神戸からかけつけて来た園枝夫人の話を聞いても、体に自信のある耕治は、遺言状なども作ってはいないようだった。ただ、松崎武則には、よほどむかしの恩義を感じているらしく、自分が死んでも、一生|面倒《めんどう》を見てやってくれと、日ごろからいっていたということだった。それ以外の財産はすべて園枝や子供たちに行くわけだし、松崎武則としては、好意の寄贈《きぞう》を期待するわけだったのである。
珠代がどういうことになるか、警部は疑問に思って、貝森憲一にたずねて見たのだが、この秘書は苦笑《にがわら》いして、
「いままでの例ですと、手切れ金は三十万――ただ奥さんの気持ちで、今度は多少の増減があるかも知れませんが」
と答えただけだった。
捜査《そうさ》当局の一部では、珠代が犯人ではないかという説も生まれていた。彼女が家で一夜を明かしたことを証明できるのは、その母親だけだし、珠代なら離《はな》れの入り口の鍵《かぎ》も持っているから、いつでも自由に出入りができる……しかし、積極的に彼女が犯人だという証拠《しようこ》もないのだった。
なにしろ、最近のわかい女性は、貞操《ていそう》観念も稀薄《きはく》だから、珠代もパトロンはパトロン、恋人《こいびと》は恋人と割り切って、ほかにも若い男と浮気《うわき》をしているらしい。渋谷署のある刑事《けいじ》などは、村越和男との間にも関係があったのではないかと勘《かん》ぐったが、これにも積極的な証拠《しようこ》はなかった。
「犯人の範囲《はんい》は限定されている。そのうちの誰《だれ》がやったかだが……」
その翌日、捜査本部で苦吟《くぎん》をつづけていた加瀬警部は、突然《とつぜん》はっと膝《ひざ》をうった。
「ウォルサムだ! あの時計だ!」
「えっ! あの腕《うで》時計がどうかしましたか?」
横山部長刑事は不審《ふしん》そうにたずねた。
「あれには盗難《とうなん》保険がついていますから、窃盗《せつとう》事件なら関係もあるでしょうが、この殺人とどんな関係が? 指紋《しもん》も被害者《ひがいしや》のもののほかには一つも発見されませんでしたが」
「そうじゃない。あの時計のおかげで、僕《ぼく》にはホシの目あてがついたんだ。あのコンニャク問答も、こうなるとむだじゃなかったよ。あいつはとんだ嘘《うそ》をついている。きっと、犯人に摺钉沥筏いⅳ毪蓼ぁ
「時計が何を……」
「ウォルサムというのは、たしかにすばらしい時計だよ。今度の事件では、ウソ発見機の役まではたしたんだからね」
加瀬警部は、いかにも肩《かた》の重荷をおろしたような笑いを浮《う》かべた。
苦労性な犯人――犯人当て小説 その四――
1
矢島道夫は優秀なセ毳梗骏蕙螭坤盲俊
仕事には実に熱心だし、ファイトも旺盛《おうせい》で攻撃《こうげき》精神に富んでいた。押《お》しと粘《ねば》りと、女に対するやさしさと、この商売に必要な素伲鲜证顺证沥ⅳ铯护皮い俊
だから、彼はリッカ骏撺伐螭韦长沃У辘扦稀ⅳ郡à旱谝护纬煽儰颏ⅳ菠皮い俊¥い浃长位嵘绀稳违哗‘ルス?マンたちの間でも、毎月相当上位の成績だったのである。
九月初めのある朝、その日の打ち合わせのために支店へ顔を出していた彼に、名ざしの電話がかかって来た。
知らない女の声だった。かぜでもひいているのか、喉《のど》に何かひっかかっているようなその声は、まるで男のようだったが、一般《いつぱん》的に論ずるなら、男はミシンなどには何の関心もない。この相手は女だと、彼は強固な先入主を持っていたのである。
「あの、前に大阪で、おたくのミシンを買ったんですけれども、たいへん眨婴いい猡韦恰⒔穸龋铩钉啶工帷筏渭奕搿钉瑜幛ぁ筏甑谰撙恕⑿陇筏い韦蛞惶ā⒊证郡护皮浃恧Δ人激い蓼筏啤
ミシンの国内での売れ行きは、新世帯の数にほぼ一致《いつち》するといわれている。彼はこの電話の内容には何の疑問もおこさなかった。
「それはおめでとうございます。私どもの製品は永久アフタ旦‘ビスつきでございまして……」
なれたせりふが飛び出したが、相手はその言葉をさえぎるように、
「娘はつとめに出ておりますから、勝手ですが、今晩七時に家へ来ていただきたいのです。住所は世田谷区代田一ノ七二六、笠井晃《かさいあきら》、小田急の|梅ケ丘《うめがおか》駅からすぐなんです」
「かしこまりました。七時でございますね」
メモに写しとった住所氏名をにらみながら、彼はもう一度だめをおした。
「ええ、時間の点は正確におねがいします。いろいろ都合もありますので」
「承知いたしました。それでは間摺钉蓼沥筏い胜饯螘r刻に上がりますから、どうぞよろしく」
この話の様子では、すぐその場で契約《けいやく》がとれそうだった。万事につけて几帳面《きちようめん》な彼は、七時ちょうどに笠井家のベルをおしてやろうと決心した。
2
約束《やくそく》の七時ちょっと前に、彼は目的の家の近くまでやって来たが、そのとき、後ろから若い女の声が聞こえた。
「あら、リッカ骏撺伐螭畏饯袱悚胜ぃ俊
商売がら、人の顔はよくおぼえているほうだったから、その女の名前はすぐに思い出せた。一月ほど前、月賦契約《げつぷけいやく》をしてくれた木浦綾子《きうらあやこ》という女だった。
二十五、六のなかなかの美人で、たしか光和貿易という会社につとめているはずだった。
「木浦さんでございましたね。先日はいろいろありがとう存じました。機械の眨婴悉い扦搐钉い蓼工俊
「よく名前をおぼえていて下さったわね」
相手は魅力《みりよく》たっぷ