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白夜行:日文版-第18章

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 火曜日の夜、塾が終わった後、いつものように二人は並んで歩いていた。途中学校のそばまで来た時、家に電話するといって雪罚Г電話ボックスに入った。江利子は腕時計を見た。午後九時近くになっていた。塾の教室で、いつまでもおしゃべりをしていたからだ。
「お待たせ」雪罚Г娫挙蚪Kえて出てきた。「早く帰ってきなさいっていわれちゃった」
「じゃあ急がなきゃ」
「うん。近道を行かない?」
「いいよ」
 いつもならバス通り沿いを歩くところだが、二人は裏道に入った。そこを通ると、三角形の長辺を行くことになり、かなり時間を稼げるのだ。ただしいつもはあまり通らない。街灯がなくて暗いうえに、偅龓欷漶v車場ばかりが並んでいて、民家が少ないからだった。材木がたくさん積まれている、製材所の偅龓欷椁筏ㄎ铯吻挨死搐繒rだった。
「あれっ」といって雪罚Гⅳ林工蓼盲俊1伺文郡蟼}庫のほうに向けられていた。
「どうしたの」
「あそこに落ちているの、うちの制服じゃない?」雪罚Г坏悚蛑覆瞍筏俊
 江利子がその指の先を目で蓿钉郡伞筏盲皮い取⒈冥肆ⅳ皮堡椁欷拷遣膜韦工昂幛恕驻げ激韦瑜Δ胜猡韦浃沥皮い毪韦姢à俊
「えっ、そうかなあ」彼女は首を捻った。「ただの布じゃないの」
「摺Δ琛¥Δ沥沃品坤琛寡┓'は近づいていき、その白い布のようなものを拾い上げた。
「ほら、やっぱりそうだった」
 彼女のいうとおりだった。破れてはいるが、制服に間摺い胜盲俊%楗ぅ去芝氅‘の襟は江利子たちにとって馴染み深いものだ。
「どうしてここにそんなものが落ちてるのかな」と江利子はいった。
「わからない……あっ」制服を眨伽皮い垦┓'が声をあげた。
「なに?」
「これ」雪罚Г现品涡丐韦ⅳ郡辘蛞姢护俊
 そこには名札が安全ピンで留められていた。名札には『藤村』と書かれていた。
 江利子はわけもわからず恐ろしくなり、背中に悪寒が走るのを感じた。一刻も早くこの場から逃げだしたくなった。
 だが雪罚Г掀皮欷恐品虺证盲郡蓼蕖⒅車欷颏绀恧绀恧纫娀丐筏俊¥丹椁摔饯肖蝹}庫の小さな扉が半開きになっているのを見つけると、大胆にも中を覗いた。
 早く帰ろうよ、と江利子がいいかけた時だった。きゃっ、と雪罚Г肖印⒖冥蚴证茄氦丹à皮郡袱恧い馈
「どうしたの?」江利子は訊いた。声が震えていた。
「誰か……倒れてる。死んでるかもしれない」と雪罚Г悉い盲俊

 倒れていたのは清華女子学園中等部三年二組の藤村|都子《みやこ》だった。だが死んではいなかった。両手両足を俊椁臁⒃长挨膜铯颏蓼丹欷皮い郡Δà藲荬蚴Г盲皮い郡⒅堡椁欷崎gもなく意識を取り戻した。
 発見したのは江利子たちだったが、助けたのは彼女たちではなかった。彼女たちはてっきり死体だと思い込み、警察に連絡した後は偅龓欷私扭骸⒍摔鞘证蛭栅旰悉盲普黏à皮い郡韦馈
 藤村都子は上半身が裸で、下もスカ纫酝猡工伽仆绚丹欷皮い俊¥饯欷椁我骂悿稀ⅳ工挨饯肖藪韦皮皮ⅳ盲俊¥蓼恳痪wにぅ鹰拴‘ル袋も見つかった。
 間もなくやってきた救急隊員によって都子は救急車に仱护椁欷郡ⅳ趣皮饪冥颏堡胱磻Bではなかった。江利子たちを見ても、何の反応も示さず、虚無の目をしていた。
 江利子は雪罚Г裙菠恕⒔尉焓黏诉Bれていかれ、そこで簡単な事情聴取を受けた。パトカ藖るのは初めてだったが、藤村都子の悲惨な姿を見た後だけに、そんなことを楽しめる気分ではなかった。
 彼女たちにあれこれと伲鼏枻筏皮郡韦稀左婎^を五分刈りにした中年男だった。寿司屋の板前という外観ではあるが、身体から発する雰囲気は全く摺盲皮い俊¥扦毪坤眱灓筏婴工毪瑜荬蚯菠盲皮い毪韦坤恧Δⅳ饯欷扦饽郡武劋丹摔辖婴蛭s《いしゅく》させるものがあった。
 刑事の伲鼏枻稀⒔婴郡沥甲婴虬k見するに至った経過と、事件について何か思い当たることはないかということに絞られていた。経過については、江利子は雪罚Г葧r折顔を見合わせたりしながら、できるかぎり正確に話した。刑事も特に疑問を感じた点はないようだった。だが心当たりとなると、江利子たちに答えられることなど何もなかった。夜道は危ないので、クラブ活動などで遅くなった場合、何人かで、必ずバス通りを歩くよう学校から指導されているが、実際に何らかの事件が起きたという話は聞いたことがなかった。
「学校からの帰りなんかに、変な人を見たとか、誰かに待ち伏せされたことはない? あなたたちでなくても、お友達がそういう経験をしたとか」刑事の横にいた、婦人警官が尋ねてきた。
「あたしはそういう話、聞いたことありませんけど」と江利子は答えた。
「でも」隣で雪罚Гい盲俊!秆¥沃肖蛞枻い皮い郡辍ⅳⅳ郡筏郡沥滦¥工毪趣长恧虼盲皮い啤⑿凑妞虼椁盲郡辘工肴摔悉い蓼埂贡伺辖婴蛞姢啤ⅰ袱亭ā工韧猡蚯螭幛皮俊
 江利子は頷いた。連中のことを忘れていた。
「それはいつも同じ男?」と刑事が訊いた。
「覗いてる人は何人かいます。写真を撮ってる人は……わかりません」と江利子は答えた。「でも学校は同じだと思います」
「学校? 相手は学生なの?」婦人警官が目を丸くした。
「大江中学の人だと思います」雪罚Гい盲俊¥饯味隙ǖ膜士谡{に、江利子も少し驚いて彼女を見た。
「大江? 間摺い胜ぃ俊箣D人警官が念を押す。
「あたし、前に大江に住んでたことがあるからわかるんです。あの校章は大江中学だと思います」
 婦人警官は刑事と顔を見合わせた。
「ほかに何か覚えてることはあるか?」刑事が訊いてきた。
「この間、あたしのことを写真に撮った人の名字ならわかります。胸に名札をつけてましたから」
「何という名字やった?」刑事は目を剥いた。獲物に食いつく顔になっていた。
「たしか、アキヨシだったと思います。秋冬の秋に、大吉の吉です」
 横で聞いていて、江利子は意外な思いがした。この前の様子では、雪罚Г线B中のことなどまるで無視していた。しかしじつは相手の名前をチェックしていたのだ。江利子は相手の名札など記憶になかった。
「あきよし……か」
 刑事は婦人警官に何か耳打ちした。婦人警官は席を立った。
「最後にこれを見てもらいたいんやけどね」刑事はビニ氪虺訾筏皮啤⒔婴郡沥吻挨酥盲い俊!脯F場に落ちていたもんやけど、見覚えはないかな」
 ビニ氪沃肖巳毪盲皮い郡韦稀ⅴ‘ホルダ物棨辘韦瑜Δ坤盲俊P·丹蔬_磨《だるま》に鎖がついているが、その鎖が途中で切れていた。
「知りません」と江利子は答えた。雪罚Г馔瑯敜未黏à坤盲俊

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[#ここで字下げ終わり]

「あれ、鎖が切れてるぞ」
 菊池の財布を見て雄一はいった。昼休みに、売店でパンを買おうとしている時だった。すぐ前に立っている菊池が財布を手にしているのだが、そこにいつも付いているキ邾毳扩‘の飾りが消えていた。小さな達磨だったと雄一は記憶していた。
「そうなんや。昨日の夕方気づいた」菊池は渋い顔をした。「あれ、結構気に入ってたんやけどな」
「どこかに落としたわけか」
「そうらしい。しかし、この鎖がそう簡単に切れるかなあ」
 安物なんだろ、といいかけて雄一は言葉をのみ込んだ。そういう軽口は、この男には厳禁だった。
「ところで」菊池が声を落としていった。「昨日、『ロッキ护蛞姢皮俊
「へえ、そらよかったな」雄一は相手の顔を見返した。ほんの少し前は、入場料の高さを嘆いていたくせに、と思った。
「意外なところから映画館の特別優待券が手に入ってなあ」雄一の疑問を見抜いたように菊池はいった。「おふくろが客からもろたらしい」
「ふうん。それはついてるなあ」
 菊池の母親が近くの市場で働いているという話を雄一は聞いていた。
「ところが眨伽皮撙郡椤⒂袆科谙蓼蛉栅蓼扦洹¥ⅳ铯皮瞥訾堡郡省:韦趣罱Kの上映に間に合《お》うたからよかったけど、あぶないところやった。まあ考えてみたら、期限が切れる寸前やなかったら、そんな優待券をくれるわけないな」
「かもしれんな。で、映画はどうやった?」
「めちゃくちゃよかった」
 この後しばらく映画の話で盛り上がった。
 昼休みが終わりそうになって教室に戻った時だった。同級生の一人が雄一に声をかけてきた。担任教師が呼んでいるという。担任はクマという渾名《あだな》の理科教師だ。本名は熊沢という。
 職員室に行くと、熊沢は深刻そうな顔をして雄一を待っていた。
「天王寺《てんのうじ》署から刑事さんが来てる。おまえに話を聞きたいそうや」
 雄一はびっくりした。「何のことですか」
「おまえ、清華の女子生徒の写真を撮ってるそうやな」熊沢は濁った眼球で、雄一の顔をじろりと見た。
「あっ、いえ……」突然の指摘に、雄一は口ごもってしまった
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